住まいの正しい情報をお伝えする住宅コンサルタント兼建築(工業)の教員免許を持っている加賀です♪

今回は、展示場にいらっしゃるお客様もあまり理解を深められていない高気密高断熱住宅のお話をしていきます。
展示場にいらっしゃるお客様へ

と伺うと、ほとんどの方が

というシーンが多いため記事にしてみました。笑
実は高気密高断熱の“程度”は日本の建築エリアによって
基準が違いますのでかなり注意が必要です。
特にこの基準に関しては意外とあなたの建築地域に基準が適合していたとしても
“とてもゆるい”可能性がありますので、ご要望定番の「夏は涼しく冬は暖かく」
暮らしたいあなたにとって大事な内容になります!
家の性能の話の中では「生活」や「健康」に密接に関わる重要な内容ですので、
高気密高断熱とは何かという“概要”を理解することができます!
目次
■そもそも気密断熱とは
今回は以下の項目で解説していきます♪
①断熱とは
②気密とは
③断熱気密どちらかだけ良くてもダメ!
④地域によって違う!?高気密高断熱の基準
⑤世界基準と比べると日本の気密断熱基準は低い!?
⑥まとめ
わかりやすく端的に説明して聞きますね♪
1.断熱とは
そもそも“断熱”とは何かという解説になります。
断熱とは呼んで字のごとく、「熱を断ずる」ものです。
分かりやすいのは“衣服”に例えるとわかりやすいです!
断熱は衣服でいうと「セーター」です。↓
室内でセーターを着ると暖かいですよね??
でも、セーターだけ纏って風の強い冬に玄関から外に出るといかがですか??
隙間風が入ってきて寒いですよね??
断熱は熱を逃がさないように空気の部屋をたくさん作っているだけで、
風や隙間などから空気が動いてしまうと熱がかっさらわれてしまうんです。
(動かない空気は断熱性がとても良いんです!)
ちなみに、あなたが使っている羽毛布団は暖かいだけのイメージがあると思いますが
冷たいものを入れると“保冷”もしてくれますよ。
(クーラーボックスも暖かいものを保温してくれます)
断熱とは暖かい空気も冷たい空気も保つ役割の事ですね!
2.気密とは
”気密”とは、隙間の量の事を言います。相当隙間面積とも表現します。
衣服に例えると、“ウィンドブレーカー”です。↓
家は何も考えずにつくると隙間だらけになります。
実は関東基準の省エネ基準だと、40坪くらいある家でも合計で
「A3用紙を一回り大きくしたサイズ」ほどの隙間が空いています。
さらに第三種換気になると合計「タタミ半畳分」空いているので恐怖ですよね...
↓こんな素敵な空間でも真ん中の畳がそのまま穴だったら寒いですよね??
このタタミ半畳分空いてしまっていても基準を満たしているので
「高気密」と言えるんです。ほんと日本の制度は本当に弱い...
(ちなみに、大手ハウスメーカー(関東圏以南)のほとんどが関東基準が標準仕様で
タタミ半畳分空いてますので注意してくださいね!
オプションで隙間埋めてくれる不親切さがイラっとさせます。)
あなたは屋外で寒い時ウィンドブレーカーを着ていたら
寒い時は前のチャック閉めますよね??
ポケットにチャックがあったら閉めますよね??
気密の役割は、セーターで保温した熱を風や隙間でかっさらわれないようにする
ウィンドブレーカーの役割になります!
3. 断熱気密どちらかだけ良くてもダメ!気密断熱あわせて「保温力」
では、前項解説にもありましたが断熱だけ纏っていても、
隙間から熱がかっさらわれてしますのでダメです。
では、気密だけ良ければどうでしょうか。
こちらも衣服に例えるといいでしょう。

容易に寒いことが想像できますよね?
気密だけでも熱を保つ機能がなくなるのでダメです。
上質なセーターと隙間を埋めてくれるウィンドブレーカーの組み合わせはとても重要なんですね↓
でも、あなたは衣服に例えると意外と寒い時に
断熱と気密を意識しているんですよ!
例えば↓こうです。
真冬に外に出る際に、セーターもしくはヒートテック(断熱)を着て、
その上にジャンパーもしくはコート(気密)を着ますよね?
さらに、首元から風が入ってくるのでマフラー(気密)巻いて
足元はショート丈のブーツよりロングブーツ(気密)を履いて
風が入ってこないように無意識に気密断熱性を高めてますよね!?
住宅も一緒で両方の性能が合わさって初めて、
「熱を保って、風にかっさらわれない」高気密高断熱になるんです!
気密力と断熱力が合わさって初めて「保温力」が上がります。
どちらかだけではまったく意味がないと思ってください。
■保温力の知識を活かした展示場(ハウスメーカー)の見極め方
僕が潜入調査をしまくっている僕が、保温力のあるメーカーを
見つけ出す際にこの知識を応用しています。
ポイントは
「断熱材だけの自慢をするメーカー」
「断熱だけの話をするメーカー」
これらは展示場見学後、深堀調査をすると関東レベル仕様の寒い家だった事です。
暖かいお家が欲しい方は営業マンが断熱だけの話をしたら

と思って切ってしまってもOKです。
4. 地域によって違う!?高気密高断熱の基準
先ほどから“関東基準”など記述してますが、
以下が地域ごとの断熱性目標を表す「次世代省エネ基準」です。
(C値も表示したかったので旧タイプです)
ちょっとわかりにくいので解説すると、
ピンク、イエロー、グリーンの地域は“ゆるい基準”です。
この地域で建築される際は、国がゆるい基準で

と謳って良いとしているので断熱性を表すQ値、UA値のレベルが低いです!
また、気密性を表す「C値」に関しては基本的にグリーン、ブルー、パープルの地域以外は
先ほどお伝えした40坪の家、第三種換気で「タタミ半畳分」穴が開いています。
さらに「2012年改正 次世代省エネ基準」では断熱性の指標は少しだけ厳しくなりましたが
C値に関しては表記が無くなっているので相変わらず日本の「保温力基準」はゆるいです。
新 次世代省エネ基準 改正前と改正後↓
住宅建築の際はグローバルな視点で見ることをオススメします!
5.世界基準と比べると日本の気密断熱基準は低い!?
では、世界基準の住宅の省エネ基準を見てみましょう↓
まず僕が思ったのは、

でした。笑
この省エネ基準に共通して言えることは、保温力が高い家を建てている国は
建替サイクル(家の寿命)が長い事です。
日本は平均30年以下で建て替えてます!!
以下が、各国の建替サイクルです。↓
長いですよね。
普通に日本基準で建てたあなたは、30年後何歳ですか??
もう一度建て替えたくなってしまう仕組みが実は「保温力」と密接に関係しているので
シッカリと予備知識を入れてハウスメーカー選定してくださいね!
6.高気密高断熱まとめ
いかがでしたか。断熱力+気密力=「保温力」のイメージは湧きましたか??
※熱回収力は換気方法の話になりますので、暖かいお家が欲しい!という方は換気の話も押さえてください。記事書きます。
この記事の知識をしっかり理解することで、夏は涼しく冬は暖かい家が建てられますので、予備知識として押さえてくださいね!
今後もあなたの家づくりができる限り失敗しないような情報をどんどんお伝えしていきますのでまた記事を見に来てください♪
ではまた~^ ^
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